お見合いで一目惚れ!? 2話

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お見合いで一目惚れ!? 2話

 お母さまの話を聞きながら、お茶を楽しむ。  屋敷の使用人たちも私に気遣っているのがわかった。  愛されてるなぁ、私。なんて思いながら、お母さまの話に相槌を打っていた。両親は恋愛結婚なのよね。  愛し愛されることの素晴らしさを延々と聞き、お茶に砂糖を入れなくても糖分をたっぷりと()った気分になった。  そして、それからすぐにお見合いの話が進み、二週間後にお見合いすることになり……とんとん拍子に話が進んでいったことに目を丸くしてしまう。  ちょうどこちらに用事があったらしい。  二週間、なんだかソワソワとした気持ちを抱えつつ、毎日を過ごした。  学園は卒業したから行くことはないし、こちらからやることはないし、割とのんびりとした毎日を過ごせていると思う。  ……なにもしないで過ごす、というのは初めてかもしれないわね。  今までなんだかんだ、いろいろなことをして過ごしていたから。  第一王子の婚約者として、学ぶことはたくさんあった。でも、もう『ダニエル殿下の婚約者』ではないんですもの!  習い事を詰め込んだような日々は終わり、今は自由を満喫中!  とはいえ、ダンスの腕が(なま)っても困るので、たまに練習はしている。  ダニエル殿下と踊る機会は数回しかなかったけれどね。一年に一、二回くらいだったかしら?  誕生日に開かれるパーティーで踊った程度しか、記憶がないわ……  ……なんというか、本当に形だけの『婚約者』だったわね。  約束の日は明日。  さて、どんな人なのかしらね……?  釣書を見ただけでは判断できないから、なんともいえないけれど……これも一つの出逢いなのだし、良い日になるといいな。
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