お見合いで一目惚れ!? 2話

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 メイドたちの見送りに軽く手を振って、お見合い相手と会うために部屋を出た。  セバスチャンが「応接間でお待ちです」と教えてくれたので、そこに向かう。  いったいどんな人が待っているのか、楽しみね。  そんなことを考えながら歩いていると、すぐに応接間についた。  扉をノックすると「入りなさい」とお父さまの声が耳に届く。セバスチャンが扉を開け、中に入る。  お父さまとお母さま、それからもう一人。  きれいな黒髪に、まるで深い海を宿したような青い瞳。  体格は割とガッシリとしていて、強そう。  ……顔も身体も、私の理想の男性像――……!  驚きのあまり、息を()む。  すっと彼は私の前に立った。十センチくらいは高そうね。 「お目にかかれて光栄です。レームクール伯爵令嬢。わたしは、レオンハルト・フォルクヴァルツと申します」  そっと花束を差し出された。白い花。ふわりと鼻腔をくすぐる甘い香り。  花束を受け取り、片手でドレスの裾を掴みカーテシーをした。 「お会いできて光栄です。フォルクヴァルツ辺境伯。エリカ・レームクールと申します」  顔を上げてにこりと微笑むと――彼は、優しく微笑みを浮かべた。ああ、笑顔も素敵ねっ。  こんな人が結婚していないなんて……どういうことなの!?  とっても格好いい人なのに……? と考えていた、彼は私のもとに(ひざまず)いて、すっと手を差し出す。こ、これはもしや……?  彼の手を取ると、そっと私の手の甲に唇を落とした。  イケメン……! イケメンのこれは効く……! 心に……!
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