お見合いで一目惚れ!? 4話

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 確か、フォルクヴァルツ領はお母さまの故郷の国境だったはず。そして、その国境を守るのが辺境伯であるレオンハルトさまのお仕事。  国境には魔物も出やすい。でも、魔物との戦闘はフォルクヴァルツの人たちにとっては日常茶飯事で、騎士団の人たちは屈強な人たちが多いと、攻略本に書いてあった。  知らない設定が載っていると聞いて、攻略本を買いに走った前世の私、ナイス! 「国境を守ることも、魔物と戦うことも……大変ではありませんか?」 「大丈夫ですよ。最近では敵軍も諦めたのか来ませんし、魔物はフォルクヴァルツの騎士なら倒せますし。わたしの仕事は領地の人々と触れ合うことくらいです」  なんてさらっと言われて、目を丸くしてしまう。謙遜(けんそん)ではなく、きっと心からそう思っているのね。でも――領地の人々と触れ合うことくらい……とは、どういう意味なのかしら? 「今のところ平和ですよ、フォルクヴァルツ」 「それは良いことですわね。……あの『触れ合う』とは?」 「ああ、領民の生活はやってみないとわからないので……」  もしかして、領主ということを隠して、領民とともに暮らしたことがあるの?  ――そんなふうに接して、領民たちの悩みを解決していたのかもしれないわね。 「レオンハルトさまは、フォルクヴァルツ領が大切なのですね」  にこりと微笑んで見せると、レオンハルトさまはきょとりとした表情を浮かべた。  きっと彼は、ずっとフォルクヴァルツの騎士団で先頭に立ち、騎士たちを導いてきたのだろう。そして、そのあとすぐに辺境伯になったので、女性と話す機会がなかったのかも?
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