お見合いで一目惚れ!? 4話

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 アデーレとの噂は学園中に流れていたし、彼女に出会わないように気をつけてはいたけれど、どうしてもエンカウントするときもあった。  そのたびに彼女はダニエル殿下の腕にぎゅっとしがみつき、彼は親の(かたき)のように私を(にら)むという変な状況になったのよね。  そんな状態だったから、これは婚約破棄されるだろうなぁと考えていたのよ。  心の準備はしておいて正解だったわ。 「……レオンハルトさま」 「はい、エリカ嬢」 「今の私は、まだ『恋』を怖く感じます。先程話した通り、ダニエル殿下とは『芽生えそうなところを踏みにじられた』ましたから。……でも、あなたのことを知りたいと、考えています」  この感情は『恋』なのかしら? それとも、ただの好奇心?  もしもこの感情が『恋』なのだとしたら――一目惚れ、ということになるのかしら? 「――はい、わたしも、あなたのことを知りたいと考えていました」 「では、まずは『お友だち』から始めませんか?」  だって、時間はまだたっぷりとあるのだもの。  ゆっくりと、彼のことを知って――この感情がどんなものなのか、考えていこう。 「はい、よろしくお願いします」 「こちらこそ! でも、一つだけ……約束していただきたいことがあります」 「なんでしょうか?」
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