お見合いで一目惚れ!? 4話

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 首をかしげるレオンハルトさまに、私は眉を下げて微笑んだ。 「もしも――もしも、私の他に気になる女性が(あらわ)れたら、きちんとお別れを伝えてから、その女性のもとに……と」  ……もしかしたら私、想像以上にダメージ受けていたのかな?  ダニエル殿下は一年に一度、浮気をしていた。  八回も浮気されたから、傷つかないように心が、頭が、情報を閉ざしてしまったのかも。  レオンハルトさまが痛ましそうな視線を私に向ける。 「――わたしは、できればあなたと結婚したいと思っています」 「――えっ?」 「その、こうして女性と会話をするのも久しぶりでしたが……あなたとは、自然に話せた気がして。なので、オレが浮気するという心配は、しないでください」  きっと、私のことを安心させるために言ってくれたのね。優しい人だ。  ――彼はとても誠実な人なのだろう。誠実な人だと信じたい。  それにしても、こんなに格好いい人なのに、乙女ゲームの攻略キャラではなかったみたい。全クリして攻略本も買った私がいうのだから、間違いないわ。  攻略キャラではないのに、本当……素敵な人。  こんなに魅力的な人が結婚していないなんて――そして、私と結婚したいと言ってくれるなんて、とても幸運なことだと思う。  一人称、本当は『オレ』なんだろうな。私に『良く思われたい』と言っていたし……そういうところが、なんだか心がムズムズとくすぐったくなるのよ。
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