お見合いで一目惚れ!? 6話

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 あ、という顔になったレオンハルトさま。  学園を卒業したばかりだから、王都で少し羽を伸ばして、それから家族と一緒にレームクール領に戻ってそこでのんびりと恋を探す予定だった。  ――でも、せっかくレオンハルトさまとお見合いしたのだもの。  彼は、ダニエル殿下とは違い、私に対して真剣に向き合ってくれるんじゃないか、という淡い期待を抱いている。  とくん、とくんと彼を見るだけで胸がときめくの。――やっぱり一目惚れなのかもしれない。  私ってもしかして惚れっぽい女だったのかしら?  領地に帰って、ゆっくりとダニエル殿下から受けた心の傷を癒して、次の恋はとびきり素敵な恋にしようと……そう考えていたのに。 「父に領主代理を頼んでいるので、長くて一ヶ月は王都にいられる予定です」 「まぁ、そんなに長く?」 「はい。これを機に、王都を見てこいと――そう、言われていたので。……ずっと、戦ってばかりだったので……観光でもしてこい、と」  眉を下げて微笑む姿を見て、きゅっと胸が締め付けられた。  フォルクヴァルツは魔物からも他国からも狙われやすい。  フォルクヴァルツの防衛戦の話題は、たまに王都にも流れてきていたけれど、大体終わってからの情報だったのよね……
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