お見合いで一目惚れ!? 6話

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「……ずっと、この国を守ってくださって、ありがとうございます」  心から、その言葉が出た。  彼らの国に対する忠誠心がなければ、この国はいつ他国に攻め入られていたかわからない。 「――それがフォルクヴァルツの仕事ですから」  凛とした、声だった。  国を守れることを、誇りに思っているのがわかる。  ――どんなにつらいことがあっても、きっと乗り越えていくんだろう。 「あなたはとても……まぶしい方ですね」 「オレがまぶしい、ですか?」  目を丸くするレオンハルトさまに、小さくうなずく。 「ええ、とても。そして、とても素晴らしい方だと、思います」 「あ、あの、今日はこの辺で失礼しますね。お茶とお茶菓子、ありがとうございました」  顔をますます赤らめたレオンハルトさまは、一気にお茶を飲み干して去っていってしまった。  ……照れさせすぎちゃったのかしら?  でも、きっとまたすぐに会える……そんな予感がするの。  うん、やっぱりダニエル殿下よりも、レオンハルトさまのほうに心が傾いているのがわかる。  ――やっぱり、これが一目惚れってやつなのかしらね?
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