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僕が拾った禁断の本
あれは小学6年生の初夏だった。
僕は学校の帰り道に藪に捨てられた
禁断の本を拾った。
表紙は雨で濡れた後なのかブヨブヨのしおしおになってるけど中身は大丈夫そうだ。
これが何なのか僕は誰かに教えてもらった訳じゃないけど表紙のかわいい女の子の写真から“とてもイケナイもの”だと悟った。
すごく恥ずかしくて
すごく刺激的で
すごく魅了する
ポップな文字で綴られたテキストを見るだけで嫌でも期待が膨らむ。
めまいがしそうなほど緊張してドキドキが止まらない。
期待と不安が入り交じり呼吸が荒くなる中
僕はページを捲った。
すっぽんぽんだ…
次の日、背徳感にとらわれた僕は早朝、同じ場所に禁断の本を捨てた。
子供の僕には衝撃的でついていけなかったのと親にバレたら恥ずかしいと思ったからだ。
あれから大人になって振り返れば
男の子なら誰もが通る運命の一冊であって
異性にときめく点では
これはこれで甘酸っぱい青春の1ページだったのかなって思う。
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