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「そうだ。そんなことよりさ、今度クレープ食べに行こうよ。さっき話してた友達が教えてくれたんだけどさ、最近ここの近くで、美味しいクレープ屋さんができたんだって!」
奢ってよ、と最後にちょこんと付け加える彼女。
魅了するような笑顔に、ドギマギし始めた。
「ええー……だって、そういうところって女友達と行くところじゃ……」
「いいじゃん、君と一緒に行きたいんだからさ、ね?」
上目遣いは前から応えるものがあったけど、今回はかなり強く打撃される。あからさまに床に視線を躍らせた。頭の中では、彼女と一緒にクレープ屋さんに行くという妄想が、グルグルと回り始めていた。
「わ、わかったよ」
「やったあ!!」
拳をグンと天井に突き出す彼女を見て、思わず笑みがこぼれた。
あ、やっと彼女と一緒に笑えたと思うと、心に翼が生えたようにふわりと軽くなった。
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