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 鳥籠の中で愛される小鳥のように。  わたしの天使と誇らしそうに呼ぶ彼に応えつづけてあげればよかった……? 「無理」  ため息混じりに呟くと、遠くからあたしの名を呼ぶ声が聞こえた。  空耳だろうか。 「何が?」  ハッと顔をあげる。  また、呼ばれる。天使、ではなくほんとうのあたしの名前が。 「ここにいるんだろ?」  壁越しに聞こえるのは、サタくんの声だ。 「お前が教会の外に出ないよう護衛は置かれているみたいだけど、結婚式場の下見客にまじって簡単に侵入できたぞ」  そう言って部屋に入ってきたかと思えば、あたしの顔をぺたぺた触る。  鼻血は止まっているが、殴られた痕はしっかり残っている。  サタくんの冷たい手が、火照った顔を優しく撫ぜてくれるのがとても心地よい。 「ひどい神父だな。キレーな顔が台無し」 「……神父さまはあたしを所有物だと思っているから」 「なんだよそれ。お前それでいいのか」 「いいと思ってた……」
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