希望の羽

3/3
前へ
/3ページ
次へ
……ふと、私の足元にもいくつかの羽が落ちている。そう、私は戻ってきたばかりだ。自分の羽を失い、今ここにいる。 でも、私はこの田舎から出るつもりだ。すでに羽は全部抜け落ちてしまったが、拾った羽は実は自分の羽から抜け落ちたものだった。自由を求め、飛び立つことを願っていたあの日の思いが詰まっている。 その羽は、かつての希望の象徴だ。夢や未来を信じていたあの頃の残骸。 自分の未来を見つけるために旅立ったはずなのに、今はこの田舎に戻ってきている。どこかで自分を見失ったのかもしれない。 だが、諦めるつもりはない。田舎の景色を見渡しながら、心の中に小さな火が灯っている。羽がなくても、まだ飛び立つことはできる。自分の力で、この田舎を超えて、未来を切り拓くのだ。 もう一度、羽を取り戻して、空へと飛び立つ。 天使のように、希望を胸に抱いて。 終
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加