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数週間後──
あの時、自分に話し掛けてきた見習い天使が、どうなったのか彼は知る由もない。
しかし、立派なスーツに身を包んだ彼が街中を歩いている時──
「うん?」
人波の中、彼の目に付いたのは、こちらに笑みを向ける青年。
「(知り合いか?)」
そんなことを思いながら、近付いていき、対面。
「あ、あの──」
男が正体を訊こうとした時、それを遮って、青年は言った。
「よっ!久しぶり」
「ッ!!」
その掛けられた一言で彼は──
「……何だよ、結局しくじってんじゃん」
頬を濡らして、嬉しそうに笑うのだった。
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