第一章 神頼み

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 祈りって確かプレイで合ってるよね? 道具は、どうだっけ、思い出せない。使うって言葉でいいかな。 「イッツ、プレイ、ユーズ」  それは祈りに使うものです。  そう言ったつもりだが、彼らはまた首をかしげた。  興をそがれたらしい子供が縄を降りたので、ほっとした。 「どうされましたか」  ふいに声がした。  声の方を見ると、水色の袴をはいた神主がこちらに向かっていた。三十歳くらいだろうか。背が高く、姿勢がいい。すっきりと整った顔に穏やかな優しい微笑を浮かべていた。黒髪は短くカットされていてさわやかだ。  清流だ、と紫緒は思った。  山奥の木々に囲まれた清らかな流れ。決して濁ることも穢れることなく流れ続ける。  そんな清々しさが、彼にはあった。 「使い方がわからないみたいで、お子さんが縄を登ってたんです」  神主は紫緒に頷き、英語で彼らに話しかけた。  神主が流暢に英語を話すことに驚いた。違和感がすごかった。  説明を受けた家族連れは大きく頷いた。 「I See」  わかってくれたようで、彼らはお参りをして帰って行った。 「止めて下さり、ありがとうございます」 「こちらこそありがとうございます」  神主に頭を下げられ、紫緒は慌てて頭を下げ返した。
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