第一章 神頼み

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 翌日の朝――つまり今朝、紫緒は夢見心地で会社に向かった。  美悠は雰囲気イケメンと揶揄するが、紫緒から見たら充分にイケメンだ。  さらに営業のエース。そんな彼に食事に誘われ、楽しい時間を過ごした。  もしかしてこのままつきあうなんてことに。  昨夜はずっとどきどきしてなかなか寝付けなかった。恋愛に慣れていないからこそ、ちょっとしたことですぐに意識してしまう。  出勤直後、斗真が寄って来て紫緒の耳に囁く。 「二人で話したいんだけど。お昼、時間作ってもらえる?」 「はい!」  紫緒は即答した。  どんな話があるんだろう。  紫緒はどきどきと昼を待った。  美悠とのランチを断り、紫緒は斗真に指定された屋上へ行った。  普段は鍵がかかっている屋上のドアは鍵が開いていた。  ドアを開けて出ると、青い空が広がる。  その下で待つ斗真は、紫緒を見るとにこっと笑った。  紫緒の胸がどきんと鳴る。  ドアを閉めて彼のそばに行く。  斗真は緊張しているようだった。  紫緒もまた緊張した。
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