私が好きなもの

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         -16- 「私、夕飯の準備をするわね」  葵が言った。 「私、手伝います!」 「まあ、ありがとう」 「オレ、ちょっとだけ勉強してくるよ。頼むね、のぞみさん」 「はい!」  草刈が居間を出て、葵とのぞみはダイニングルームへ移動し、隣接するキッチンに入った。 「今日は、何にしましょうかねー。とりあえずのぞみさんはお野菜を切ってくださる?」 「はい」  のぞみは、言われたとおりに夕食の手伝いをした。しばらくして、一通り仕込みが済むと、葵が言った。 「家に連れてくるなんて、空はとてものぞみさんのことを気に入ってるのね。空は、気難しいところがあるの。でも、のぞみさんとならうまくやっていけそうね」 「はい」  のぞみが会釈をすると、笑顔で話していた葵は、表情を変えた。 「のぞみさん。お願いがあるの」 「・・・はい?」
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