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「私、夕飯の準備をするわね」
葵が言った。
「私、手伝います!」
「まあ、ありがとう」
「オレ、ちょっとだけ勉強してくるよ。頼むね、のぞみさん」
「はい!」
草刈が居間を出て、葵とのぞみはダイニングルームへ移動し、隣接するキッチンに入った。
「今日は、何にしましょうかねー。とりあえずのぞみさんはお野菜を切ってくださる?」
「はい」
のぞみは、言われたとおりに夕食の手伝いをした。しばらくして、一通り仕込みが済むと、葵が言った。
「家に連れてくるなんて、空はとてものぞみさんのことを気に入ってるのね。空は、気難しいところがあるの。でも、のぞみさんとならうまくやっていけそうね」
「はい」
のぞみが会釈をすると、笑顔で話していた葵は、表情を変えた。
「のぞみさん。お願いがあるの」
「・・・はい?」
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