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ピンポーン
「え??」
こんな時間に誰が、、
秋になりかけの今は七時でもう日は暮れている。
正直私しかいない家に誰か来るなんか考えられない。
玄関の丸い穴から見ても結局誰かわからない。
スルーした方がいいんだろうけど、
あーあ、お母さんたちがいたら出てくれたのに
ガチャ
「はい」
「、、莉々奈?」
「は、はい。そうですけど。あなたは?」
「夏樹だよ。」
夏樹は私のお母さんのお兄さん。私はいつも夏樹兄って呼んでるけど。
夏樹兄は仕事熱心な人で独身だからよく私たちの家にご飯を食べに来ることもあった。
「夏樹兄?」
「うん。そだよ。病院から色々話は聞いてる。」
そういって夏樹兄は静かに私のことを抱きしめてくれた。
「辛かったな、思う存分泣いていいよ」
「もう枯れるほど泣いた。」
「それはそうか。」
「でも、何でみんななの?せめて私だけなら、」
「そんなこと言うな。お母さんたち悲しむだろ。」
「わかるけど、、」
わかってるけど、、もう嫌すぎるんだよ、、
何で私の家族が、?
まだ犯人も捕まってないし。
「はぁ、とりあえず病院の先生が言ってたから、一応ゼリーとかでもって思って買ってきてみたよ。たべれる?」
ありがたいけど、今の私には何も喉を通らない。
「ありがとう。でも、今は何もいらない。」
「そうか。飲み物とかは?水もあるけど」
「じゃあお水もらう。」
「ん。りょーかい」
とりあえず水は飲んでみたけど、とてつもなく戻しそうで仕方がない。
「吐きそう?大丈夫?」
何も声が出そうになくて、首を振ることだけが精一杯だった。
「とりあえず、トイレ連れてくね」
そのまま私は夏樹兄に連れて行ってもらって、
何も食べてないのに、1日を通してほとんど体内のものが出ていっている気がする。
もうこんなことになるなら、いっそのこともう死にたい。
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