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「あ〜 何もしてねぇのに礼言われると気分良いわ〜」
次の時間の授業の準備をしていた薬袋を横目に化学室を出て季優と一緒に教室に戻っていると、「ねぇ、日下部先輩にもう渡した?」と女子達が頬を染めながらきゃっきゃっきゃっきゃっと話していたのが聞こえてきたにゃ。
「まだに決まってんじゃん!放課後に渡そうと思ってるんだ〜」
「私も!」
「でもさ、放課後だと練習の邪魔になるんじゃない?」
「あっ、そっか…。じゃあ昼休みは?」
「頭良い〜!じゃあ皆でそうしようよ!」
日下部って本当にモッテモテにゃんだにゃ。
「あっ、にゃん太君。僕少し図書室に寄って行きますね」
相変わらずの読書家にゃ。
他の生徒がぞろぞろ階段を降りて行く中 図書室に向かう季優の後をついて行くと、少し歩いた曲がり角の方から「先輩好きです!」と女の子の声が聞こえてきたにゃ。
「あら?」
「にゃん?」
ぴたりと足を止めて二人でそっと覗くと今日の学校の話題の主役の天使・日下部とどっかの後輩女子生徒が向かい合わせで図書室の前に立っていたにゃ。
「あれは…告白現場でしょうか?」
それ以外に何現場って言うんだにゃ?間違いにゃくそれにゃ。
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