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「日下部君っていつ見ても素敵だわぁ〜…」
突如頭上から聞こえてきたこの声はもしや…
「エリザベスもそう思うでしょう?」
やっぱり希空だったにゃ。ちなみにこいつは応援部の三年で学校一の金持ちで自称美人な女子生徒だにゃ。
希空は僕を抱き上げると「きゃ〜♡」と言いながら僕の背中に顔をうずめてぐりぐりしてきた。
やめろ!つうかお前いつもとキャラ違うぞ!?
「テニス部の王子、日下部春希君。同じ学年でしかも名前に私と同じ希望の“希”の字が入ってるなんて、もうこれって運命だわ!」
お前 日下部が好きなのか?好きなんだな!?そうなんだにゃ!?はい、決定で〜す!!皆しゃ〜ん!応援部の愛原希空しゃんはテニス部の日下部しゃんが好しゅきなんですってにゃ〜〜〜!!
「希空さん授業始まりますよ?」
ちょうど今階段を上がって来た季優が黄色いファイルに入ったプリント用紙の束を持って三学年の校舎にやって来たにゃ。
それまでだらし無い顔してニヤけてたくせに急にキリッとクールな表情に切り替えた希空は振り返って「あら、おはよう」と上品な笑みを浮かべた。切り替えの速さが恐ろしいにゃ。
「貴方二年のくせに何で三学年の校舎に来たのよ?と言うか貴方だって授業始まるでしょ?」
「英語担当の薗部先生に頼まれて希空さんのクラス担任の山田先生にこれ持って来たんです。あと、一限目は三階の化学室でやるので余裕で間に合うからご安心ください」
「山田先生ならまだ来てないわよ」
「では教壇に置いといて下さい」
季優は黄色いファイルをにこっと希空に手渡したにゃ。
「はぁ?なんでこの私がそんな事…まぁ良いけど、同じ部の後輩の頼みだしぃ?」
素直に「OK☆」って言ったら良いにゃ。どれだけプライド高いにゃ、こいつは…。
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