天使は悪魔で悪魔は天使?

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愛屋(あいや)君、もうすぐ薬袋先生来るよ?」 化学室に居た野々口が廊下でポスターを眺めていた僕達の事を呼びにやって来たにゃ。 「何見てるの?…あっ、これ……」 「入選したんですってね。おめでとうございます」 「あ、はは…あ、ありがとう…」 にゃんかあんまり嬉しそうじゃにゃいのは気のせいか? 「あんまり嬉しくないです?」 「あっ!ううん!入選したのは嬉しいよ?嬉し…いん、だけど……」 「何です?」 「誰にも言わないでね?」 「えぇ、野々口さんがそう望むなら墓場まで持って行きますよ」 そんなに言いたくない話しならしなくて良いにゃ。 「実はこれ…私が描いたやつじゃないのよ」 「えっ!?」 「にゃ!?」 にゃんだって!? 「あ…では何方が?」 「び、美術部顧問の佐藤先生…。展覧会に応募する作品の締め切りが近くなっても何も描くのが思いつかないで悩んでた時にね、佐藤先生が手伝ってくれて下絵とか描いてくれて、私はそれに色を塗っただけなの。だからこの作品は先生と合同で作ったって書いて提出しようと思ったんだけど、年齢規制があるから私の名前だけ書いて出しなさいって言われて…。でも一日でバッと描いたからまさか入選するって思ってなくて…」 応募要項違反詐欺にゃ。とんでもない爆弾発言を聞かされてしまったにゃ。 「そっ、そうだったんですか!…あぁでも何だか僕少し安心しました!」 僕もにゃ。 「えっ?安心って何が?」 「ふふふっ、何でもありませんよ。こちらの話しですのでお気になさらず」 ただ野々口お前はやはり綺麗な心を持った女だったのが分かっただけにゃ。 「あっ、話し変わるんですが今朝学校に来た時正門前に人盛り出来てませんでした?」 一周回って話しが冒頭に戻って来ちゃったにゃ。そういや団子屋が天使がどうのとか言ってたっけ…。
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