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*・゚・*
「──真桜、集中してない」
「……ごめん、なんとなく有暉と初めて喋った時のこと思い出してた」
「へえ、まだ俺が菜々さんにベタ惚れだった頃の話?」
「そ……ん、」
首筋に、有暉の体温を感じて思わず声を出してしまう。リップ音の後、チクッとした甘い痛みが首筋から全体に広がる。その甘さに、私の中心のほうが締まった気がする。首筋から全身に甘い痺れが伝染していく。
「キスマが俺らの始まり、ね」
黒が基調のいつ来ても清潔感あふれる有暉の部屋。自分の部屋みたいに心地良い、大好きな場所。
そんな場所の、ベッドの上。白いシーツの波に揺られ、私は有暉によって仰向けにされて、彼は私の上に覆い被さるように顔を寄せている。
本当は今日勉強をするつもりだったのに……男の子の性欲って一体どうなっているんだろうか。慣れた手つきでリボンは解かれ、シャツのボタンも外されていく。
「……かわいーね、真桜」
目を細めて甘く囁く有暉に、私は到底敵わなくて。
きみと私の唇が重なり合って甘い侵入を許せば、それからはもう、溺れるしかない。
*・゚・*
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