──染まる、

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*・゚・* ──新川(しんかわ)有暉(あき)は、謎だった。 クール、その表現は有暉には当てはまっていなくて。何を考えているのかわからなくて、いまいち掴めないような人。 その割に一匹狼にはなっていなくて、いつも彼の周りには人がたくさん集まっていた。だけど女子とはほとんど関わっていない、硬派とも呼ばれる部類の人。スタイルも良くて、顔も整っている。白い肌に黒髪がよく映える。だから女子とは関わっていなくても、隠れファンが多いらしかった。 ──ミステリアス。有暉を表すなら、きっとこの言葉。 そんな謎でいっぱいのきみと前後の席になって、見つけてしまった首筋のキスマーク。それはきみが誰かと深い関係にあるということを示しているのに、その日から私は有暉が気になって仕方なくなった。 「……また新しいのついてる。ほんと新川くん、見かけによらず独占欲強すぎ」 髪の毛の間からすっと首元に触れられてびくっと体が跳ねる。昨日の甘い時間が跡として残る首筋には、彼に愛された感触がまだ少し残っている。伸びてきた手の持ち主はそんな私をからかうように笑って、長くてふわふわした髪を揺らす。 「そんな反応されたら、手出さずにいられないなー。こんな隙だらけが彼女なんて、新川くんも苦労してそう」
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