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さてどうする。 酒で喉が焼けちゃって、もう歌えない。新しい歌も、もう作れない。俺の歌なんて誰も求めてはいない。 さてどうする。 ドアを開けたら僕たちの家。 そんな歌を歌ったなあ。今俺が開けるのは、天国へのドアなんじゃね? いや、地獄の釜の蓋かな。そんなことを考えながら、俺はスクランブル交差点の人の波に身を任せていた。どこにいこうか、どこならいける? どこだったら誰にも気づかれずに、天国のドアを開けられるのかな? 周りの人の波が、すーっと背景画像みたいに遠のいていった。無数の他人はいないのといっしょだ。俺は一人だ。 家族も、歌も、すべて失った。恋人は去り、親も兄弟も俺から離れた。こんな人ごみの中、俺に気づく人もいない。 俺は社会的に死んだんだなあ。背景画像がモノクロームになる。絶望って、本当に色が消えるんだ。
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