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クールで、いつもかっこいい彼が、僕に見せた弱さだったのかもしれない。そんな彼に、僕は冗談混じりに聞いた事がある。
"もし僕が、君を好きだと言ったらどうする?"って。
そしたら彼は、やっぱり何処か寂しそうに笑って、
"ハハッ。ばーか。親友だからいいんだよ。お前だって、愛なんてもん、信じてねぇだろ?"って…。
だから、僕も笑って返したよ。彼と同じ、"愛を信じてない振り"をして、共感を得る事で、彼に近付き"親友"とまでなったのだから。どんな形であろうと、彼の傍で、彼の笑った顔をずっと見ていられるなら、そう思ってたんだ。
でも、それだけでは、満足出来なかった。
だから、いつからか、彼への想いを消したいと思うようになり、それが出来ないならせめて、嫌ってくれたらと…そう願うも、それも嫌で、結局、彼が死ぬまで、"親友"を手放せなかった。
"親友"は、彼を繋ぎ止め、そして、僕を苦しめていった…。
多分僕は、彼の死で、その苦しみから、解放されたんだと思う。
だから、悲しみでなく、ホッとししてしまったんだ。
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