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「…だ、誰か、居るんですか…?」
恐怖で声が裏返る。僕はそっと、部屋の電気をパチッ人付けた。すると…。
「おかえり!寿人さん!32歳の誕生日おめでとう!!あと!今年最後の仕事、お疲れ様でした!」
突然、キッチンから飛び出して来たのは、いかにも陽キャって感じの、太陽のような明るい男。しかも、かなり若い。多分、21か、そこらだろう。金髪で、前髪を上げていて、両耳にはたくさんのピアス。
なんか、チャラそうだな…。っていうか、誰だ?なんで僕の名前…。
「………えっと、誰ですか?ていうか、君、年下ですよね?なのに、何故、いきなりタメ口?」
若い男の明るい雰囲気に、恐怖など一瞬にして消え去った。
「えっ?あ、てか、寿人さんこそ、なんで敬語?いいじゃん、タメで話そうよ」
なんなんだ、この男。初対面で、こうも馴れ馴れしいのは気に入らない。というか、誰だ君は。
「……僕が敬語なのは、気にしなくて結構。で?君は一体、誰です?何故、勝手に人の家に居るんですか?不法侵入って分かってます?一体、ここで何やってたんですか?」
僕は手に持っていた紙袋を、リビングのテーブルの上に置くと、コートを脱ぎ、ソファーに腰を下ろした。
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