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「あ、それ。その紙袋、俺です!」
男は、テーブルの上の紙袋を指差す。
「……え……これ、君だったんですか……?」
思わず驚いて、目を大きく見開くと、僕は紙袋と男を交互に見た。
「そう!俺!俺、寿人さんに一目惚れして、それからずーっと、アピールしてました!で、今日は寿人さんの誕生日だから、サプライズで隠れてた!びっくりしたよね?ね?」
男は目をキラキラさせて、僕に近付くと、"びっくりしたでしょ?"と言って来る。
「……あぁ、そりゃあ、びっくりしましたよ。泥棒かと…。でもそうですか。君でしたか。この紙袋の。ふっ。誕生日、忘れてましたよ。ところで、君、名前はなんて言うんですか?」
「刃桜洸太。寿人さんは、蓮桜寿人、でしょ?寿人さん、改めて、誕生日おめでとう。ね、紙袋の中、見て♪」
男は、いや、刃桜洸太は、まるで急かすように、僕に紙袋の中を見るよう促した。
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