解放【完】

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雪が静かに降り注ぐ12月の深夜の事だった。突然、彼の妹(4つ下)から電話が来たのは。 なんだろう?と思いながらも、眠たい目を擦り、電話に出た。すると、電話の向こうから聴こえてくるのは、鼻を啜る音。 「…もしもし?どうしたの?」 心配で"どうしたの?"と聞くと、数秒ほどの沈黙の後、彼女の口から、思わぬ事を告げられる。 「…兄が、死んだの…」 涙声で、そう、絞り出すよう言われた。 「…え?」 突然の事に、一瞬、頭が真っ白になる。 「…住んでる、マンションの屋上から…」 どんどん、彼女の声が遠くなっていく。 高校の頃からの友達、いや、親友だった"彼"が死んだ。彼は、自分の住むマンションの屋上から、飛び降りて死んだ。 自殺をするような人じゃ、無いのに…。 「………でね、親が、お葬式は身内のみにするって……」 話が、全然入って来なかった。ただ、聞き取れたのは、彼は自殺して、葬式は身内だけで行う、という事だけだった。
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