初恋ビター

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「..................これ、」 ひと口た食べただけで分かってしまった。 あの時と同じ、サクサクした触感。 記憶を思い出ささるかのような、ビター風味。 叶本さんが渡してくれた、 スコーンのパッケージを慌てて確認すると。 そこには........................... 〝ビタースコーン〟と書かれていた。 味も、名前もそのままだから。 私、気づいちゃったよ.................. 由井くんは、 パティシエになる夢を叶えたんだって。 だからこそ、 もう、会えないって分かってるから。 初恋の味と決別するために。 「..................良かったね、剣馬」 私は、ひと言呟いて、 〝ビタースコーン〟にキスを落とした。 fin.
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