願い

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願い

 「そこの人間、お前の願いをいまここで、一つだけ願いを叶えてやる!」  私の目の前に現れた正体不明の小さい天使に。  私は、混乱しながらも思わず 「本当に! 本当に‼ 私の願いをなんでも一つ叶えてくれるの!」  とその天使に、自分の顔面を押し付けながら尋ねた。  そんな私の勢いと必死さに、何故か天使の方が一歩後ろを下がる。 「あぁ! ごめんなさい。わたしったらつい! 天使さん! ごめんなさい?  」   天使に向かって深々と頭を下げる私に向かって、天使が不思議そうに 「お前、なんでそんなに必死なんだ! そんなに、私に叶えて欲しい願い事があるのか?」 「いえ? 私がって言うよりか、私には、病気の弟がいるんです。病気になったせいで、大好きな学校にもいけなくなったです。だから、もし、本当に一つだけ、願いを叶えて貰えるなら、弟の病気を治して欲しいです。そして、弟を学校に通わしてやりたいんです!」  その願いが叶うなら、私はどうなっても構わない。  私は、願いを天使の顔をじっと見る。 「……解った」 「ありがとうございます!」  私は、天使にお礼を言う。 「だが、一つ条件がある!」 「えっ?」  お礼を言ったばっかり、私は、天使の言葉に顔を上げる。 「願いを叶えるその前に、こっちの言うことをいまから一つお前に訊いて貰う!」 「えっ?」  それってどういうことですか?  私がその意味が解らず首を傾げていると、天使が私の胸元を指差しながら、 「お前の自身の叶えて欲しい願いを言え!」
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