ベジタブル人間

【02.】モブ野菜の宿命

立原くんより、遅れて。

私も、学校に着くと。

教室の視線は、〝冷たさ〟そのもの。

ろくに挨拶もせず、自分の席に座るけど。

（もう、こんな生活嫌だ.........っ、）

そう思うのに、私たちに......ううん。

私には、〝逃げ場所〟はない。

ここ、〝ベジタブル学園〟は。

元々、〝いじめ〟というものがあった20年前。

日本政府は、
差別をなくそうと新たな人種を作った。

それが、私たち──────〝ベジタブル人間〟

言わば、実験体のような存在で。
常に監視もされているような生活。

ちなみに、〝ベジタブル人間〟は。

生まれながらに、
それぞれ片手に野菜を持って生まれてくる。

それで、
〝いじめ〟はなくなると思われていた.........

だけど、そんなの違う。