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「別に謝って欲しいわけじゃねーよ。
ただ、俺が瑠子の思い出ごと愛して、
時々、風吹いてキオク香ったらいいなって、」
俯いて、言いにくそうに言う明希。
明希の言葉は、
いつも優しくて、心が暖かくなって............
「...............っ、奈津のこと、
忘れるのは、たぶんずっと無理だと思う......、」
ゆっくり言葉を発しはじめた。
そして..............................
明希の手をぎゅっと握ると。
「だけど、〝香水〟の香りを、
風が吹いて香るキオクと思い出、
そしてこれから、
明希との思い出でいっぱいにしたいっ!」
勇気を振り絞って、明希に伝えた瞬間。
再び、ブワッと風が吹いて..................
〝風吹けば香るキオク〟が、
──────優しく私と明希を包み込んだ。
fin.
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