風吹けば香るキオク

7/7
前へ
/7ページ
次へ
「別に謝って欲しいわけじゃねーよ。 ただ、俺が瑠子の思い出ごと愛して、 時々、風吹いてキオク香ったらいいなって、」 俯いて、言いにくそうに言う明希。 明希の言葉は、 いつも優しくて、心が暖かくなって............ 「...............っ、奈津のこと、 忘れるのは、たぶんずっと無理だと思う......、」 ゆっくり言葉を発しはじめた。 そして.............................. 明希の手をぎゅっと握ると。 「だけど、〝香水〟の香りを、 風が吹いて香るキオクと思い出、 そしてこれから、 明希との思い出でいっぱいにしたいっ!」 勇気を振り絞って、明希に伝えた瞬間。 再び、ブワッと風が吹いて.................. 〝風吹けば香るキオク〟が、 ──────優しく私と明希を包み込んだ。 fin.
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加