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色々考えながらも、
目の前にある食事を食べていると。
「よ、雪菜」
片手を上げて声をかけてきた鉄平。
「っ、よ!」
私は少し落ち込んでるくせに、
落ち込んでないフリをして、返事をした。
「今日は、ありがと、な、」
照れくさそうに言う鉄平の笑顔。
その笑顔は昔と変わらなくって。
胸がぎゅうと、苦しくなった。
でも........................
「ううん。こっちこそ、
招待ありがとう。鉄平、幸せになってね」
思ってもいない言葉を落として。
「千結ーーっ!私も行く!」
私は、近くにいた二次会に行こうとしてた友達。
間宮千結(まみやちゆ)に声をかけた。
私が、鉄平に背中を向けて、
駆け出した後ろで.....................
「〝素直〟になれなくて、ごめん、」
鉄平がそう呟いていたことを、私は知らない。
fin.
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