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大きな屋敷の窓辺からぼんやり外を眺めるのが俺の日常となっていた。今も日が差し込む昼下がりに、ぼんやりどこを見るでもなく外を見つめていた。高級家具に囲まれ着ている服も高級な女性物の服で、本来なら無縁の存在だったはずだったものだ。
俺は王都から離れた小さな村に生まれ育ったが、年々厳しくなる年貢が払えなくなり俺は年貢の代わりに村の皆に売られた。
「おぉまたそんな所に居るのかい?」
扉を開けて入ってきたのは俺を買う為に村の人達に年貢を厳しくし、払えなくなるよう仕向けて俺を買う代わりに年貢を免除するという約束を取り付けた領主。
金髪碧眼でボタンがはち切れそうな程体が大きく、指には宝石のついた指輪がギラギラと嫌味っぽく煌めいている。
「ここが…好きなので…」
こちらの方向が村のある方向なので、ここでこうしてぼんやり外を見つめるのが好きだった。村の人達は泣きながら俺に村の為に身売りを頼んできたが、俺は村の人達を恨んだ事は無い。皆幼い頃から優しくしてくれたし、最初は必死に年貢を収めてくれたが不作の年が訪れどうしようも無かったのだ…
「儂の可愛い仔猫ちゃん。聞いておくれよまた儂をデブって呼ぶガキが居たからね?ぶん殴ってきちゃった」
「そうですか」
俺の元までスキップ気味に歩いてきたかと思えば座って膝に擦り寄ってきて頭を乗せてきたので、見下ろしながら頭を撫でてやる。抵抗したら…俺が殴られる…
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