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星空フレンズ
「「「「あっ、」」」」
星空の下、重なった4つの声。
しかも、全員、顔の知ってる人たち。
私、川野苅乃(かわのかの)のクラスメイトたちだ。
私に、友達はいないから、
あくまで顔見知りの、クラスメイトだけど.........
1人は女の子で、苗場佳奈(なえばかな)さん。
話したことはないけど、確か委員長のはず。
あとの2人は、男の子で。
そのうちの1人は、岸本琉季(きしもとるき)くん。
確か、苗場さんと、いつも一緒にいる男の子。
もう1人の男の子は、川口星(かわぐちほし)くん。
クラスの中心的男の子で、目立つって印象。
なんで出会ってしまったかは分からない.........
誰とも、
話したことないから、動こうにも動けなくって。
──────そのまま過ぎゆく時間。
「確か、川野さん、だよね?」
沈黙を破るように、1番に話しかけ来たのは川口くん。
「..................っ、」
どう答えて良いか分からず、黙っていると.........
「ほっしー、同じこと思ってた!」
そう元気に声を上げたのは、苗場さん。
川口くん、〝ほっしー〟って呼ばれてるんだ.........
「川野さんって、あんま喋んねぇーからさ、
ふつーに、俺らにビビってんじゃねーの?」
怖く、物騒な声色で、そう言ったのは岸本くん。
「........................っ、」
言葉的に、助けようと?してくれてるのは分かるけど。
正直、岸本くんのこと、凄く苦手なんだよね.........
「いや、琉季が1番ビビらせてんじゃん!」
まるで、〝離れろよ〟と言わんばかりに、
私と岸本くんを遠ざけてくれる川口くん。
「あー、もう!るっきーは、川野さんに接近禁止!」
そう言って、両腰に手を当てる苗場さん。
「なぁ、川野さん」
私の身長に合わせて屈んで、
視線を合わせて、言ったのは川口くん。
その視線と言葉に、静かに頷くと。
「ゆっくりでいいから、
俺らと、これから友達になりませんか?」
そんな声が聞こえた。
今まで、小学校の時も、中学校の時も、
〝友達〟なんて1人もいなかった。
星空の下、〝友達〟を始めることになった3人。
一気に3人もなんて思ってなかったけど.........
それはきっと、神様が繋げてくれたんだと思う。
まさに、──────星空フレンズの奇跡。
fin.
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