梅なっとう

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梅なっとう

「いや!ぜーーったい、今日は〝梅なっとう〟!」 「いや、普通に〝ねぎなっとう〟だろ!」 夜ご飯を囲むテーブルの上。 私、名取ねぎ(なとりねぎ)と。 幼なじみの、梅木赤(うめきあか)は、 一緒に食卓を囲んでいる。 これは子供の頃からで、 お互い両親が共働きだから、 一緒に〝夜ご飯〟を食べているだけ。 ただ、そんな関係なのに。 今日.........というか、 いま、始まったケンカ。 こんなこと初めて。 ...............ケンカなんてしたくないから。 「香田くんに言われたんだから! なっとうには、〝梅〟だって!!」 場を納めるために、言葉を発すると。 「いや、『香田くん』って誰だよ! ふつーに、〝ねぎ〟入れろよっ! 俺は、納豆も、目の前にいるねぎも好きなんだよ!」 ドーン!っと、赤くんから爆弾を落とされた。 「......っ、それは、告白?」 「ばーか、当たり前だろっ、」 「ふふっ、今日は〝梅なっとう〟付き合ってくれる?」 「たくっ、しゃーねーな」 納豆が好きな私たちにぴったり。 これは、納豆から始まった恋の始まりの日。 fin.
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