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秋はうららかに!
「柿に〜、きのこに〜、栗〜っ!!」
おじいちゃんが持ってきた秋の味覚を、
1つずつ数えるのは。
私、栗橋美奈(くりはしみな)だけど............
「いや、なんか、俺ら共食いみたくなるし、」
私を呆れながら見てくるのは、
幼なじみの男の子、柿本伊緒(かきもといお)くん。
「伊緒くん!それを言ったら秋は楽しめないよ!!」
「ふっ、そりゃそうだけど、
なんだっけ、美奈がいつも言ってる.........」
「「秋うららかに!」」
答えた私と、
捻り出した伊緒くんの言葉のタイミングが見事に一致した。
「で、どーする?俺ら、そろそろ付き合う?
母さんも、おばさんもいつも言ってるけど」
「...............なんか、いま、付き合いたくなった」
「じゃ、秋のように2人でいよう」
〝うららかな秋〟は、
2人の関係を変えた始まりの日。
fin.
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