俺の、隣にいてよ

1/1
前へ
/51ページ
次へ

俺の、隣にいてよ

「なぁ、なんで俺の............っ、やっぱいい」 さっきから、〝何か〟を聞こうとして聞いて来ないの繰り返し。 私、鮫咲めぐ子(さめざきめぐこ)は、 いま、家の裏にある裏山に男の子と2人でいる。 一緒にいる男の子は、 幼なじみの、翔ちゃんこと梶岡翔平(かじおかしょうへい)。 翔ちゃんは、ひと言で言うと〝不器用〟 イケメンでモテるくせに、 ヘタレというか、なんというか。 呆れたくなるぐらいの性格してる翔ちゃん。 「翔ちゃん、聞きたいことあるなら聞いてよ」 ガツンとひと言出した。 「おまっ、メガネかけてるやつとは思えない言葉」 「それはどーでもいいから」 不器用な翔に対して、 私は、〝地味女子〟という言葉が当てはまるタイプ。 「......っ、笑わないで聞いてくれよ?」 「うん。笑わないから早く」 「俺のこと、避けないで、欲しい」 翔ちゃんから聞こえた声が、 いつになく弱々しくて胸がジンと熱くなっていると。 「.........っ、俺の、隣にいてよ、」 真っ直ぐ、私の目を見て告げられたその言葉。 もっ、もしかして.................. 「......っ、告白?」 「分かんね、でも一緒にいたい」 「ん。私も、一緒にいたい」 イケメンで、モテるけど、 不器用な幼なじみの男の子。 〝告白〟のような言葉を貰ったけど、 私たちが付き合うのは、まだまだ先の話し。 fin.
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加