君とバニラエッセンス

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君とバニラエッセンス

「ばにちゃん、ほんっと、素直じゃないね〜」 私、国井ばにら(くにいばにら)に、 呆れた様子で話しかけてきたのは。 親友の、山川れもん(やまかわれもん)ちゃん。 「ぅ、れもちゃんに言われたくは.........っ、」 〝バニラ〟と〝レモン〟 お互い3文字だし、 名前の響きも少し似てるからか。 私とれもちゃんは、高校に入学してからすぐに打ち解けた。 だから私は、通称れもちゃんと呼んでいる。 「私と、ばにちゃんって、 ほんと、似たもの同士だよねぇ‼︎」 れもちゃんに、 『素直じゃない』と言われても.................. 結局は、〝似たもの同士〟に落ち着く私たち。 そして、 いつも通り──────ギュッとハグをする。 すると、そこへ..................... 「おぃ、なんで女子同士で抱きついてんだよ‼︎」 「ぅ、じゅーくん、」 私が小さい頃から聞き慣れた声が聞こえた。 声の主の名前は、 幼なじみの穂積樹木(ほずみじゅき)くん。 「.........なんか、お前が言うと焼肉みたくなる、」 私の滑舌が悪いからか、 呆れた様子のまま私を引っ張って歩くじゅーくん。 「......っ、えと、なんか、ごめんね?」 とりあえず謝ってはみたけど..................... 「うん。俺許さねぇからさ、 いつもの、バニラエッセンスたっぷりのマフィン作ってよ、ばにら」 代わりの条件?的なを言うじゅーくん。 でも、1つ確かなのは、 〝マフィン〟を作れば良いと言うこと‼︎ 「ぅ?うん?分かった‼︎」 そう返事をすると..................... 「ん。いい子、いい子」 そう言って、私の頭を、 ポンッポンッと頭を撫でるじゅーくん。 「じゅーくんも、バニラエッセンスもね、 私は、だ〜〜ぃすきだよっ‼︎」 私は、じゅーくんが大好きだから。 いつも、沢山のバニラエッセンスを入れるのですっ‼︎ fin.
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