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昼間に見た姿と違い、少年──アリッサは会った時に束ねていた髪を解き、一見美少女と見紛う程の容姿だった。
ベッドまで辿り着いてカーテンを潜ったアリッサは、まだひどく混乱しているリアの様子に気づく。
(全部⋯⋯、夢⋯⋯)
再び目に浮かんだ両親や同僚達の顔が、次々と靄のように消えていく。それまでの幼い頃から過ごした両親や同級生達との時間、甘く苦い恋をした時期、バイトに明け暮れた日々など、全てが〝無かった事〟なのだと、まだ信じられずにいた。
「ペアラ⋯⋯?」
リアはアリッサの手が頬に触れても反応はなく、大きく見開いた目からは大粒の涙が溢れていた。そんなリアを強く抱き締め、「大丈夫⋯⋯」と耳元で囁いた。
「君は生まれ変わったんだ、生まれ変わったんだよ。
⋯⋯〝リア〟から〝ペアラ〟に生まれ変わったんだ」
「⋯⋯っく、うぅ⋯⋯。ぁああっ!!
ああああああああーーーっ!」
もう、その後は堪えようがなかった。
タガが外れたように、腹の底から声に出してリアは泣き叫んだ。
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