7話 日常

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 すぐさまマウスのダブルクリックでファイルを開き、修正箇所とスキャンの読み取りに不備がないか目を通す。念の為プロフィールも軽く目を通し、確認事項も目を通すと完了ボタンを押す。席を立ってチームリーダーの方へ歩み寄った。 「先程宇野さんから送られてきたオークラ、戻り終わりました」 「ありがとうございます」  立てば熊のように大きな身体をしているチームリーダーの倉本信雄は、軽く笑みを浮かべて凜空に礼を言った。  編集待ちや校正・校了待ちの棚を見ると、さほど量は溜まってないので、直ぐに上がるだろう。印刷機を挟んで倉本の隣りの席に座る校正・校了担当の小野祐希と目が合い、凜空が会釈すると、小野も笑みで返した。  踵を返した表紙に、倉本の斜向かいに座る友人の松長恵梨香とも目が合い、互いにクスッと笑って凜空は席に戻る。 「白城さん、緊急溜まってきてるよ〜」  喜美子の煽りを受けて、凜空は嬉々として「は〜いっ」とキーボードとテンキーに手を伸ばして返事をした。
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