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9話 記憶の欠片
散々泣き喚いた後、リアは嗚咽を漏らしながらも、なんとか呼吸を整えようとした。が、散々泣き喚いた後に急に整える事が出来るはずもなく、大きくしゃくれる度にアリッサは小さな子供をあやすように、リアの背中を優しく撫で続けてた。
「ごめ、⋯⋯なさい。夜中なのに、みっともなく泣いて⋯⋯」
まだ顔を上げるのが恥ずかしく、俯いたまま身を引く。いい歳して、歳下に宥められながら泣き喚いた事がな情けなくなった。
しかし、アリッサはそれに構わず再びリアを抱き寄せる。
「いいよ。急に世界が変わって、混乱しない人間は居ないさ。
もし可能なら、名前の変更だって考えてもいい。例えそれが出来なかったとしても、二つ名として〝リア〟と名乗ったっていいんだ⋯⋯」
「⋯⋯え?」
「君はペアラであるけど、中身は〝リア〟だ。例え夢の中だとしても、それまで培ってきた知識や経験は変わらずにある。
普段はリアとして過ごし、正式な場ではこの世界の名前であるペアラを名乗れば良い。僕も普段は〝リア〟と呼ぶことにする」
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