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「⋯⋯なんで、そこまでしてくれるの?
衛兵の人達から助けてくれたり、こんなに親身になってくれたり⋯⋯。私とあなたは、どういう関係だったの?」
あの小庭で、凜空として生きた人生が夢であったと、スパッと言い放ったアリッサ。衛兵には身分を利用して睨みをきかせ、如何にも殺気を醸し出していた。
しかし、我に返った今になって振り返ると、茫然自失となっていた自分に対してとても気遣わし気に、今にも壊れそうな硝子に触れるかのような優しさを見せる。そして、今度は〝ペアラ〟という人物を押し付ける事なく、リアの精神的負担を軽減しようとしている。
その時、不意にリアの脳裏にある言葉が浮かびだした。
──目が覚めたら、側に居てくれる?
今にも泣きそうな声で、ペアラの声が誰かに問いかけている。突風に煽られているからか、問われた人物の髪が激しくたなびいているのが、ぼんやりと見えた気がした。
──当たり前。目が覚めたら、真っ先に迎えに行く。だから、安心しなよ。
悔しそうな顔をしながら、その問いかけに強く答えて寄り添った相手が、アリッサの声とそっくりだった。
──うん⋯⋯、うんっ!
「あた⋯⋯し⋯⋯」
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