11話 芽生える想い

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「⋯⋯無理に訂正しようものならば、下手すれば心が壊れ兼ねますね。昨夜も、こちらまで錯乱して居られたご様子が伺えました」  イゴールは、気にかけるようにリアが眠っているであろう部屋の方向を見やる。 「それを避ける為に、ここに連れて来た。叔父上の自宅に連れ帰ったら⋯⋯あの叔父と叔母だ。彼女をペアラとしてしか扱えないだろう。まぁ、記憶障害については伝達してあるし、療養の件でこちらに連れて来たのも伝えてある。だから、皆にはあの子を呼ぶ時は〝リア〟と呼んでやって欲しい。せめて、ここに居る間だけは⋯⋯」 「⋯⋯承知致しました。この後すぐに朝礼で通達致しましょう」 「頼む⋯⋯。少し落ち着いたとはいえ、まだ気掛かりだから戻るよ」 「では、朝食はお部屋で摂られますか?」  アリッサは少し考え込み、リアの部屋にあるバルコニーで朝食を摂ることにした。その後少し屋敷か庭を散歩でもしようかとも考える。 「そうだな。リアの部屋のバルコニーまで運んでくれ。できるだけ消化にいい物を頼む」 「承知致しました」
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