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「⋯⋯無理に訂正しようものならば、下手すれば心が壊れ兼ねますね。昨夜も、こちらまで錯乱して居られたご様子が伺えました」
イゴールは、気にかけるようにリアが眠っているであろう部屋の方向を見やる。
「それを避ける為に、ここに連れて来た。叔父上の自宅に連れ帰ったら⋯⋯あの叔父と叔母だ。彼女をペアラとしてしか扱えないだろう。まぁ、記憶障害については伝達してあるし、療養の件でこちらに連れて来たのも伝えてある。だから、皆にはあの子を呼ぶ時は〝リア〟と呼んでやって欲しい。せめて、ここに居る間だけは⋯⋯」
「⋯⋯承知致しました。この後すぐに朝礼で通達致しましょう」
「頼む⋯⋯。少し落ち着いたとはいえ、まだ気掛かりだから戻るよ」
「では、朝食はお部屋で摂られますか?」
アリッサは少し考え込み、リアの部屋にあるバルコニーで朝食を摂ることにした。その後少し屋敷か庭を散歩でもしようかとも考える。
「そうだな。リアの部屋のバルコニーまで運んでくれ。できるだけ消化にいい物を頼む」
「承知致しました」
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