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 私は躊躇してその置かれた水を見ているだけしかできなかったが知世は興味津々で一口飲んだ。 「……」  微妙な顔をしている。 「不思議な店だな」 「そうね」 「さっきから鳥肌が消えないんだけど」 「そうね」  私はパーティーションから顔を出して歩いて来た通路を見渡した。やはり微かにヒソヒソ声が聞こえる。  そんな私の興味を他所に知世は次の行動に移していた。右手で水を飲みながら左手でメニューの表紙を撫でている。 「何だか魔力を感じるわね」 「また厨二病が始まった」 「本当に感じるのよ」 「もういいって」
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