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「美織ちゃん、女の子なんだからもっとお行儀よく。美織ちゃん、美織ちゃん・・・」
あのしわがれているのに甘く粘っこい声は、どんどんと大きくなり、疲れ切った美織の心をからめとっていく。美織はその直後、強烈な疲労感と眠気に襲われベッドに倒れこみ、深い眠りにつき、次第に不気味な夢へと引きずり込まれていった。
***
気付くと美織は、細く真っ暗な一本道を歩いていた。耳を澄ますと微かに足音が聞こえるが、前を見ても後ろを見ても闇しか見えず、足音が自分のものなのか他の誰かのものなのか分からない。
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