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美女との対談 優花ちゃん
さて何やらお怒りモードの美優ちゃんに代わりまして、美女との対談は続いて生粋のお嬢様で深窓のご令嬢なのに強い、南田優花ちゃんの登場です!
あ、描さん、アイスコーヒーとミルクレープをひとつずつお願いします、私はホットコーヒーのお代わりを…
カウンターの向こうで描さんが肩を竦めたような気がしたが、たぶん目の錯覚だろう
さ、優花ちゃん、何でもお話を…
「これってどう言う順番?若い方から?それとも可愛い順番?」
運ばれて来たアイスコーヒーにガムシロップとミルクをたっぷり入れて、一口啜るなり優花ちゃんは喋りだした
アイスカフェオレの方が良かったかも…
いえ、そう言うわけでは…ちょうど優花ちゃんがお手隙みたいだったので…
「あたし忙しいんだけどぉ?猫さんとの仲を深めるのでぇ?それに美優ちゃんの次ってのが引っ掛かるんだけど?言っとくけど、最初に猫さんを好きになったのは秋さんだけど、その次はあたしなんだからね!」
ドンドンドン
幸いな事に今名前の出た秋ちゃんは〆切が近づく前に曲作りとか言って、仕事部屋に籠もっている
だからテーブルを叩かないでくださいよ…私が描さんから怒られるじゃないですか…
「あんたはちょっと怒られろ!冴香さんと秋さんは兎も角、あたしは何で猫さんとの関係が進展しないのか、納得行く説明をしてもらおうじゃない!」
あ、いや、それは…私じゃなくて描さんにお問い合わせを…って、居ない?ええい危機管理能力がやたら高いキャラはこれだから…!
そ、それだけ描さんが優花ちゃんを大事に思ってるって事なんじゃないかな〜?なんて…
「その結果があたし達四人が猫さんとの仲が進展してないのは許せない!!特にあたしと!!」
仲が進展しないも何も…優花ちゃんは描さんの元上司の娘さんですし、描さんのお子さん達ともそう変わらないお年じゃないですか…やっぱりいくら可愛くても手は出し辛いんじゃ…
「可愛い?あたしが可愛い?それは…当たり前だし…嬉しいけど…だからって猫さんが手を出してくれないの?あたしよりちょっと落ちるけど可愛くても胸のない美優ちゃんと同じだって言うのか、あんたは!!」
…描さんの弁護をするわけじゃないですけど、あの人そこまで胸に固執はされないのでは…?固執される方ならとっくにハルちゃんやシイちゃんにちょっかい出してると思うんですが
それに優花ちゃんは直接の面識はないでしょうが、描さんの元奥さんもどちらかと言えばスレンダーな方…
「そんな事はどうでも良いのよ!今!現在!それから未来!あたしと猫さんの関係を進展させろっつってんだ、あたしは!!この前里帰りした時にママにも見抜かれてたんだからね、猫さんとナニもないって!!」
…悠希さん鋭いな…母の勘なのか、女の人特有の直感なのか、はたまた冴香さんや美優ちゃんが一緒に暮らしてるから進展のしようがないのがわかっているからなのか…
と、とにかくですね、優花ちゃんと描さんが更に仲良しになるにはですね、描さんと話し合っていただくしかないと言いますか…いや、そもそも描さんは優花ちゃんのお嫁さんには出来ないと思うんですけど…
「五月蝿い!!それくらいわかってるわ!!小学校時代の可愛い言い間違いを掘り起こすな!!あ、猫さん、ミルクレープお代わり!」
…いつの間に平らげたんだ、この人は…
と、音もなく忍び寄って来た冴香さんが皿音も高く、正確には叩きつけるようにお代わりのミルクレープを置いて、無表情に戻って行った…
うん、今日の話は優花ちゃんで止めておこう…今日の冴香さんは前職時代並みに危険だ…
これは…優花ちゃんだけじゃなくて美優ちゃんにもハルちゃんにもシイちゃんにも言える事なんですが…
「何よ」
私思いますに、描さんもですが、冴香さんや秋ちゃんに直談判される方が手っ取り早いような…
「…そんなヤバい真似出来ないわよ…今の冴香さん見た?あれあたしがゴミの分別間違えた時より怒ってるからね?…あんた作者なんだから責任持って冴香さんと話し合ってよ?」
そう言い残して、優花ちゃんは席を立った
目の前のテーブルには空になったアイスコーヒーのグラスとミルクレープのお皿が二枚、そして微妙に冷めたホットコーヒーを残して…
冴香さんを説得…
うん、無理だ!今日のところは引き上げよう!
しかし…二人から連続で描さんとの関係の進展を命じられるとは…
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