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授業はオンラインで行われ、自分で計画を立てて勉強を進めていく形式だ。そのおかげで、以前のようなストレスやプレッシャーを感じることなく、心穏やかに学ぶことができるようになった。自分の好きな時間に好きな科目に集中できるのは、私にとって大きな解放感だった。
「今日は数学をやってみようかな」
そんな風に、自分で選んで学ぶ楽しさを知ることができたのも、通信制の高校に切り替えたおかげだった。興味のある分野を学びながら、少しずつ自分のやりたいことが明確になっていくのを感じていた。
祖母の手記を読んで以来、「自分の幸せを掴むために一歩踏み出す」という言葉が私の中で大切な指針となっていた。
学校を辞めるという選択も、周囲の目を気にしていた昔の自分ならできなかっただろう。それが今は、自分の選んだ道に誇りを持って進めている。
そして、以前の学校でのつらい出来事も、今では遠くから振り返ることができるようになった。
母にはたくさん心配を掛けてしまったけど、以前学校に行っていた時より、たくさん話をしている。
私がどんな事に興味を持ったのか、どんな勉強をしているのか、将来の夢について、二人で穏やかに話す時間が増えた。
「今は、自分のやりたいことが少しずつ見えてきた気がするの。これから、もっと頑張っていくね」
私がそんな言葉を母に伝えられるようになったのは、大きな変化だった。
祖母が残してくれた、あの真っ白な本の主人公になった私は、ハッピーエンドを目指して、歩み始めた。
いじめに苦しみ、祖母を失い、心の中で迷い続けていた私だった。
けれど、今は新しい未来に向けて歩き出している。祖母が教えてくれた「自分を守るための選択」を実践し、自分自身の人生をしっかりと見つめようと心掛けている。
祖母が残してくれた本は、今も大切な私の宝物だ。
時折、その本を開いては、祖母の教えを胸に刻み、私は自分の白い本に幸せな明日を綴る。
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