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「へえ、おばあちゃんのお見舞いね。でもさ、お見舞いくらい、うちらとカラオケに行った後でよくない? みんな楽しみにしてたんだよ?」
「だよねー!うちらとなんか、優等生の真由子は遊べないんじゃない⁉」
冷たい言葉が降り注ぐ。
そのうえ、背後から笑い声まで聞こえてきた。由美の取り巻きたちが、私をチラ見しながら何かを囁いているのがわかる。
喉が詰まるよう苦しさを覚えながら、足元を見つめ、その場で立ち尽くすしかなかった。
「うちらのことバカにしてんでしょ?テキトーなこと言って避けてんだよね?」
「だよねー。真由子様はお忙しくていらっしゃるのよ。キャッハハ」
彼女たちの言葉は容赦がなかった。何度も突き刺さるような嫌味を受ける度に、心が徐々に削られていく。
私は何も言い返せなかった。
口を開く勇気がなかったのではなく、言い返したところで無駄だという諦めが、いつの間にか自分の中に根付いてしまったのだ。
教室の時計がカチカチと時を刻んでいる。私には、その時間が永遠に続くように感じられた。
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