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集める。
そう、ガラクタ集めだ。
俺の人生はガラクタの日々を集める苦行だった。
思い返せば、記憶の最も古い彼方へたどり着く。
俺の世界は家族だった。
幼稚園に行くと、違う世界があることを知った。
そして、同じような子供の家に、それぞれの家族があり、それぞれの世界があることを知った。
ともだち?
みんなのことを誰もが友達と言っていた。
得体の知れない自分と同じような生き物が俺は心底、気持ち悪かった。
優しさもあるが、意地の悪い感情も伝わる。それは俺が初めて出会ったエイリアン(宇宙人)だった。
あの頃から、俺の戦いの日々は始まっていたのかもしれない。
そして、何回も敗れて怯えて逃げ回る悲しいポンコツの俺を、宿主として迎え入れてくれた、やはりポンコツの生身の身体は初期不良の出来損ないで、蔑む日々はエスカレートしていった。
本当にガラクタだ。
人生はガラクタの日々を集めて、自分をどう慰めていくかの罰ゲームなのかもしれない。
集める。
それでも、ガラクタの日々を集めていたら、きらりと光る物に気づく時があるようだ。
俗な言葉にすれば、恋である。
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