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僕を誘惑する小悪魔な君は
仕事に行こうとする僕を引き止める。
「行かないで、もう少しここにいて」
その寂しそうな表情に僕はつい
こう言ってしまうんだ。
「あと少しだけだよ」
君は嬉しそうに声を上げて
僕とキスを交わす。
「じゃあもう行かないとだから」
立ち上がり彼女を見下ろす。
「寂しい、もう少し一緒にいて」
「帰ってきたら構ってあげるから」
君は不服そうにソファに寝転ぶ。
そんな君に「いってきます」と呼びかけて
仕事に向かう。
君がいるから頑張れるんだ。
「ただいま」
ドアを開けると君は「ニャー」と声を上げる。
ふさふさな茶色い毛並みに黄色い瞳、
落ち着きなく揺れる尻尾。
「にゃ子、お待たせ」
猫のにゃ子を撫でると彼女は嬉しそうに鳴いた。
やっぱり君は悪魔で天使だ。
(終わり)
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